動画広告のコンプライアンスとは?過激なコンプレックス広告は不快なだけでなく法律違反になることも

動画マーケティング

本稿は2021年05月10日公開の「愛のある広告、優しさのある広告とは?動画広告のコンプライアンスを遵守しよう」を加筆修正したものです。

「汚い毛穴から角栓がドバっと出る」「体重50kg超えたらこれ飲んで」など、いわゆるコンプレックス広告が問題になっています。

体の一部のアップ画像など、グロテスクで不快な動画広告を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。個人の特徴をあたかもコンプレックスであるかのように誇張表現し、過激な表現で購入を促すというものです。

このような広告は「不快」なだけでなく、「違法」になる恐れもあります。広告で効果を出すことも大切ですが、コンプライアンスも忘れてはなりません。今回は動画広告のコンプライアンスについて考えてみたいと思います。

コンプライアンスとは?

コンプライアンスとは「法令遵守」という意味で、わかりやすくいうと法律・規則・ルールを守って経済活動をしようというものです。

企業であれば就業規則や服務規程、業務マニュアルを守ることがコンプライアンスになります。社会規範やモラル、公序良俗、マナーなどを意識した振る舞いをすることは、社会人として当然ですね。

逆にコンプライアンス違反をすれば、売り上げが減少するだけでなく、社会的信頼を失う、損害賠償請求されるなどのリスクを負うことになるでしょう。

コンプライアンスに違反する不快な動画広告事例

視聴者にとって不快な動画広告とは何か。具体的な事例と不適切な表現が招く危険性についてお話しします。

脱毛・ダイエット系のコンプレックス広告

太っているから、毛深いから、自分と違う見た目をしているから。コンプレックスを刺激する動画広告は不快なものです。単なる個性をコンプレックスであるかのように煽る表現の動画広告は残念ながら増えています。

  • ダイエットしないから仕事がうまくいかない、サプリを飲んで痩せよう
  • 体毛が濃いと会社で噂される、なので脱毛はおすすめ
  • 毛穴が汚くて角栓が飛び出てる、恋人が欲しいならこの石鹸を使おう

太っていることをコンプレックスに感じている小学生が目にしたら、「太っているのは悪いこと」だと間違った認識を持つことだってあるでしょう。毛穴をアップにしたグロテスクな画像を見て、脅迫観念にとらわれてしまう人もいるかもしれません。

使い方を間違えると景品表示法や薬機法に抵触するだけでなく、人の心を深く傷つけ将来を奪ってしまうことにもなりかねません。

コンプレックスを助長するストーリーの動画広告

動画広告のストーリーにも気を使いましょう。表現の仕方ひとつで不快な動画に仕上がります。

例えば、「ダイエットに失敗したせいで恋人に振られ、人の視線が怖くなった」といったストーリー。外見を卑下し、マイナス思考やルッキズム(外見上の差別)を強要しているように感じます。

人の性質にターゲティングをあわせること自体は間違いではありませんが、そこで見つけた要素をコンプレックスに関連づけるのは問題です。人の特徴や価値観は多様なもの。そのことを正しく理解する必要があります。

動画広告で不快な表現を続けるとどうなるか

マーケターとして知らなかったでは済まされないコンプライアンス対策。全世界に向けて動画コンテンツを配信しているのですから、社会問題やモラル、マナーはもちろん、思いやりや優しさといった配慮も必要です。

広告配信のポリシー違反に該当する

2020年9月30日、Yahoo!ではコンプレックスを露骨に表現した広告に対して「出稿禁止」とする審査を開始しました。差別意識を温存するもの、コンプレックスを助長するものに該当すれば、今後は広告配信を利用できなくなります。

また、そういったマイナス思考の強要はYouTubeを運営するGoogleの「ポリシー違反」にも該当します。違反を繰り返すと広告やアカウント停止の措置が行われます。

動画広告を作るなら、各社の広告掲載基準や広告表現のガイドラインを必ず確認するようにしましょう。Yahoo!広告掲載基準『ユーザーに不快感を与えるような表現』には、コンプレックス広告を禁止する旨が明記されています。

不快な動画広告は信頼も利益も失う

当初、Facebookはヘイトスピーチなどの対策に消極的でした。言い換えると、不快な広告を許容して利益を得ている企業だと認識されていました。その結果、どうなったと思いますか?

2020年、スターバックスを始め、コカ・コーラ、ユニリーバなど、大手企業が次々に広告のボイコットを始めたのです。Facebookの不適切な広告問題は、人権団体やメディアから抗議を受けるだけでなく、主要広告主を失って大きなブランド破損につながりました。

個人、企業のビジネスにあてはめても同じことが言えるはずです。人を傷つける可能性のある不快動画広告を出稿していると、口コミ・評価の批判対象となり、視聴者や消費者を失ってしまうことを覚えておいてください。

愛のある広告、優しさのある広告ってなんだろう

動画広告を作る上で無視できないコンプライアンス。広告の愛や優しさとは一体どういうものなのでしょうか。株式会社エレダイ2の熊野さんへのインタビュー内容を用いて、お話ししたいと思います。

【インタビュー動画】Biz9(現NayutaTV)

リポーター:関根万菜

コンプライアンス=優しさが必要

関根:これからの時代、企業とブランドが考えるべきことは何なのでしょうか?

熊野:統一したテーマを持たせるとしたら「優しさ」だと思う。例えば、日本では男女に対する差別がまだ少なからずある。ジェンダー問題もそうだし、優しさ(心遣い)と、どう関わっていくかがこれから大事なんじゃないかな。

関根:今までの固定概念に縛られず、新しい考え方を生み出していくということですか?

熊野:ものやサービスを売ることを目指しているのに、優しくない事業を展開していると自滅していく。これまでの考え方は「人や環境に優しくするとコストがかかる」だったけど、今は「優しさに投資することで最終的には利益が出る」。そんなサイクルに入ってきた気がする。

優しさへの考え方と取り組み方の注意点

関根:企業やブランドからすると売れるに直結することを考えてしまいがちです。優しさに対して、どのように考えたり取り組んだりすればよいのでしょうか?

熊野:優しさは、売り上げを減らすことじゃない。お客様をいい気分にさせた上で、自社の商品やサービスを伝えることにフォーカスする。(企業としては)グローバルな活動も大切、それと同時にローカルな部分にも目を向けるべきじゃないかな。

コンプライアンスをどう意識するか

関根:優しさや姿勢は持つのが難しいと思います。どうやって持っていけばよいですか?

熊野:誰のためにそれをやろうとしているか、イメージの解像度を高く持つということをまずやらなきゃいけない。事業の体系を再構築してサービスを見直す。その仕組みを作るのが僕の仕事なのですけど、多くの企業を見ていて共通するのは「優しさ」というキーワードだと思います。

▶株式会社エレダイ2様のインタビュー書き起こし記事はこちら

つまり、広告に込める愛や優しさとは?

熊野さんの回答は、今回のテーマを語る際にもぴったりハマる内容でした。では、前述した広告の愛や優しさとはなんだろう。

編集者は「責任感」だと考えます。PRも購買促進も、相手の気持ちを思いやり、または楽しませ、情報に責任を持つ広告には愛や優しさがつまっています。

動画広告は制作して終わりではありません。愛のある広告、優しさのある広告は、視聴者や消費者の満足を得て、はじめて完成するものだと思います。

まとめ

動画広告に限らず、インターネット上の情報はときに大きな影響力を持ちます。マーケターとして、コンプライアンス違反を知らなかったでは済まされません。

動画広告、動画コンテンツの価値観は視聴者と一緒に作るものです。働き方や在り方に自由が推奨される今、「優しさマーケティング」は関わる人をあたたかい気持ちにさせ、最終的に大きなメリットをもたらすでしょう。

動画広告に限らず、あらゆるコンテンツを発信するときは、誰かを傷つけていないか、考え方や感じ方を押し付けていないか、偏った見方をしていないかなど、そこに愛や優しさはあるのかを振り返ってみましょう。

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